コラム 「馬主沼にハマってさあ大変」 第7回

2023-11-27

コラム:馬主沼にハマってさあ大変

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書類も揃いいよいよ馬主免許を申請しようと思ったところで2つの障碍にぶち当たってしまった。


コロナによって海外に行けなくなることはや1年。海外に行きたい病をどうにかすることができないせいで、とにかく飛行機に乗りまくるようになっていたのだ。ロクに仕事もないし暇つぶしにちょぅどよかった。どれだけ沖縄行っただろう。そのたびに月桃を買い、レモングラスを買い、パッションフルーツを買い、ミズレモンを買い、島バナナを買って帰っていた。キャリーケースの中は運び屋みたいになっていた。


主のいない実家の建て替えも本格的になってきた。飛行機に乗っていない日は3日に1回ペースで建設会社に行っていた。完全にゼロからの設計だった。アホみたいにこだわりが強く呆れられた。住まいレビュー雑誌から構造計算の教科書まで、半年くらいはとにかく家づくりに関係する本しか読まなかった。YouTubeもルームツアーとか高気密高断熱工務店の動画ばかり見ていた。

マイル修行と家づくり、この2つによって自分のウマ熱は冷めつつあった。というか、書類を整理して地全協に送るのがめんどくさくなっていたのだ。が、家の設計が本格化するにつれて、頭の中をある不安がよぎるようになり、だんだんと大きいものになっていった。

「馬主免許が届くときに古い家を取り壊していて書留を受け取れないとまずいんじゃないか」

あんだけ金の心配がない住居もバックレる可能性がないみたいなことを散々提出させられたわけである。クレジットカードの審査だって、年収と住まいが固定されているか必ず連絡取れるかみたいなことを見られるわけである。況んや馬主をや。だいたいにおいてまともな人生を送っていないので「審査」みたいな言葉に過剰に反応しがちなのである。クレジットカードの審査は常にドキドキしているし、住宅ローンの審査だって薄氷を踏む思いフラワーパークとエイシンワシントンくらいの差でお情けで通してもらったのである。賃貸ですら、リクルートフォレントインシュアは保証してくれたけど買収されてオリコフォレントインシュアになったらNGになり怖いと悪名高い沖縄の会社しか保証してくれなかった程度の社会的信用なのだ。今年万が一可決しても届け出された住所に建物すらなく、書類が返送されたとしよう。地全協登録課の覚えは最悪になるだろう。しかも来年再来年の収入がどうなるかわからない。書類を出さないと。


と一念発起し書類を送ったことを名古屋競馬の人に言ったら「あーでも今からじゃ7月の審査には間に合わないし、そもそもあれ、中央の馬主さんとか調教師経由で提出した人にどんどん順番抜かれていくからいつになるかわからないね。コロナのあと申請すごく増えてるらしいし」と絶望的なことを言われてしまったのである。ほんと、絶望的な気持ちになった。いつになったら馬主になれるんだ。


鬱になり現実逃避することにした。現実逃避と言えば離島である。飛行機修行も沖縄本島ではなく島に行くようになった。ちなみにこの頃の写真は、スマホからMacに取り込むのを失敗し、全部消えてしまっている(このエントリに貼りつけてあるのは動画から切り出したものだ…)。何をやってもうまくいかない。書類を出した今となっては、島に行き水平線を見るくらいしかやることがなかった。



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