愛知県馬主協会主催の馬主セミナーに参加し馬主になろうと思ったものの、余りに馬券が当たらなく万事意気消沈していた2020年春、私は相変わらずマイル修行をしていた。1月9日に香港に行った。競馬もした。1月11日に深圳へ行った(めちゃくちゃ熱出してそうで苦しそうな人を電車内で見かけた)。1月29日、ソウルへ行った。焼肉屋にいたちょんまげヘアの客が鼻マスクをしていた。2月8日にホーチミンへ行った。マスクをした。足つぼマッサージのおばちゃんに「日本製のマスク?いいわね」と言われた。2月22日に台北へ行った。人々がマスクを買うため開店前のドラッグストアに行列していた(当時ははじめ人々が何に並んでいるのかわからなかった)。2月25日にバンコクへ行った。マスク率はそれほどでもなかったがファランの数が激減していた。3月3日にハノイへ行った。夜真っ暗だった。どこの店も空いていなかった。3月7日の深夜、ノイバイ国際空港を出国するとき「次いつ来れるかなあ…」とつぶやいた。同行者に「何言ってんですか月末のチケット取ってあるんでしょう?」と言われたが「もう当分来られないだろうな…」と思いながら飛行機に乗った。3月24日、3日後のタンソンニャット行きチケットをキャンセルした。
4月。仕事を完全リモートにした。競馬エースのpdfが公式サイトに行くと無料でダウンロードできるようになった。コマジオウが穴を開けるようになった。コマビルドも穴を開けまくっていた。正直どっちがどっちかよく区別ついていなかったがそれでも当たった。穴馬だったはずのクロネコノタンゴは人気で飛ぶようになっていた。ミズデッポウは相変わらず穴を開けそうで、でもちょっとだけ気分が乗らないようだった。おもしろいように馬券が当たった。
競馬へのモチベーションが復活した。
6月。株主総会で役員報酬を20%減らした。7月。このまま行くとヤバいんじゃないかな、と思い出した。来年自分に仕事があるかわからないぞ。
馬主になっといた方がいいんじゃないか。
急に思い出したのである。来年、再来年までボヤボヤしてたら所得がヤバいかもしれないぞ。それどころか、税金払うのすらままならなくなって納税証明書とれなくなっちゃうかもしれないぞ。
今のうちに馬主になっとこう。人生最後のチャンスかもしれない。
2年連続2回目の決意であった。